【簡単に解説】アウトソーシングとは?BPOとの違いやメリット・事例

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31-10-2025

近年、業務効率化や人材不足への対応策として「アウトソーシング」が注目を集めています。特にスタートアップや中小企業では、限られたリソースで最大限の成果を上げるために、外部パートナーの活用が欠かせません。

本記事では、「アウトソーシングとは何か?」という基本から、BPOとの違い、メリット、具体的な導入事例までをわかりやすく解説します。

アウトソーシングとは?(初心者向けにやさしく解説)

アウトソーシングの定義と背景

アウトソーシングとは、自社で行っていた業務やプロセスの一部を、外部の専門業者に委託することを指します。英語で「outsourcing(外部=out、資源=source)」と表現されるように、リソースやノウハウを社外に求める経営手法の一つです。

この考え方は1980年代から欧米で普及し始め、日本でも1990年代以降、ITバブルとともに広がりました。近年では、働き方改革や人材不足、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れもあり、再び注目を集めています。

IT企業における活用例(システム開発・インフラ・運用など)

IT業界においてアウトソーシングは非常に一般的です。以下のような業務で多く活用されています。

IT企業における活用例
  • システム開発(Web・アプリ・業務システムなど): 仕様策定から設計・実装・テストまでを一括して外部の開発会社に委託することで、社内のリソースを企画や顧客対応に集中させることができます。
  • インフラ構築・運用: サーバー、ネットワーク、クラウド環境の設計・構築・監視など、専門性が高く対応人員が限られる分野では、アウトソーシングによる効率化が効果的です。
  • 保守・運用・監視: 24時間365日の運用体制を確保するには、外部パートナーとの連携が不可欠です。オフショア(海外委託)によるコスト最適化も進んでいます。

特にベトナムなどのオフショア開発拠点では、日本語対応が可能な人材も増えており、言語や品質の壁も低くなっています。

なぜ今、アウトソーシングが注目されるのか?

現在、多くの企業がアウトソーシングに注目している理由は以下の通りです。

  • 人手不足の深刻化:少子高齢化により労働人口が減少する中、人材確保が難しくなっており、外部リソースの活用が避けられなくなっています。
  • コストの最適化:正社員を雇うよりもコストを抑えられるため、固定費削減と柔軟な運用が可能になります。
  • 業務のスピード化・品質向上:専門スキルを持:つパートナーに任せることで、スピードと品質の両立が期待できます。
  • グローバル化・デジタル化対応:海外進出やDX推進に向けて、ノウハウを持つ外部パートナーとの協業がカギになります。

特にベトナムのような国々は、IT人材の質とコストのバランスが良く、「オフショアベトナム」としての注目度も高まっています。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは?

BPOとは

BPOとは「Business Process Outsourcing」の略で、企業の事務処理や管理業務など、定型的で繰り返し行われる業務プロセスを外部の専門業者に委託する手法です。とくにバックオフィス領域、たとえば経理、人事、カスタマーサポート、データ入力などの業務が代表的です。

BPOは単なる外注というよりも、業務全体のプロセスを丸ごと任せる包括的なアウトソーシングであり、コスト削減や業務の標準化、生産性向上を目的に導入されます。

近年では、業務効率だけでなく、法令遵守や品質担保の観点からも、プロフェッショナルなBPOベンダーをパートナーとして活用する企業が増えています。

アウトソーシングとの使われ方の違い

「アウトソーシング」と「BPO」はしばしば混同されますが、その使われ方には明確な違いがあります。

アウトソーシングは、幅広い業務領域に適用可能で、たとえば開発、デザイン、マーケティングなど、プロジェクト単位やスキル重視の委託が多い傾向にあります。一方、BPOは特定の業務プロセスを継続的・定型的に外部へ任せるスタイルで、主に事務系やバックオフィス業務に特化しています。

また、アウトソーシングの目的が「専門性の確保」「コスト削減」「スピード向上」など多岐にわたるのに対し、BPOの目的はより業務の最適化や標準化、品質の一貫性の確保に重点が置かれるのも特徴です。

アウトソーシングとBPOの違いを徹底比較

委託範囲の違い

アウトソーシングは、特定の業務やタスク単位で外部に依頼するケースが多く、プロジェクトベースや一時的な支援という形で活用されることが一般的です。たとえば、Webサイトの制作、広告運用、アプリ開発といった業務が該当します。

一方、BPOは業務全体の「プロセス」単位で委託するスタイルです。給与計算や請求書発行、データ入力など、定型化され繰り返し発生する業務を長期的かつ包括的に委託するのが特徴です。

コスト構造と課金モデル

アウトソーシングでは、プロジェクト単位での固定費契約や、作業量に応じた従量課金型の契約が多く見られます。短期的な発注が前提となるため、初期コストが高くなりやすい一方で、期間限定のニーズに柔軟に対応できるという利点があります。

一方、BPOは月額定額制や時間単価制が主流で、長期契約を前提とすることでコストパフォーマンスを高める設計になっています。

プロジェクト vs 継続運用

アウトソーシングは、「納期」や「成果物」に焦点をあてたプロジェクト型の業務が中心です。そのため、作業が完了すれば契約終了となるケースがほとんどで、継続的な業務運用には向いていません。

それに対してBPOは、「業務を継続的に運用する」ことが前提です。人事・経理・カスタマーサポートなど、日常的な業務を中長期的に委託するため、パートナーとしての信頼関係構築や業務品質の維持が重要となります。

管理・統制の違い(PMの役割、KPI設定など)

アウトソーシングでは、プロジェクトマネージャー(PM)が進行管理や納品の品質管理を担う一方で、業務遂行は外部に大きく依存します。そのため、企業側の関与は部分的で済むケースが多いです。

一方でBPOでは、業務フローの設計からKPI設定、定期的なレビューまでを含めた全体最適な運用管理が求められます。委託先と密に連携しながら、継続的な改善と品質管理を行う体制が重要となります。

目的の違い「成果達成」 vs 「業務効率化」

アウトソーシングの主な目的は「成果物の完成」や「専門性の確保」にあります。リソースが足りない、専門知識が不足しているときに一時的に補うための手段として選ばれます。

一方、BPOの目的は明確に「業務の効率化」や「標準化」、さらには「コア業務への集中」にあります。

合った委託方法を見つけるためのチェックポイント

自社課題の明確化

アウトソーシングを成功させるためには、まず「なぜ外注するのか」という目的を明確にすることが最重要です。
 たとえば、社内エンジニアが不足しており開発リソースを拡張したいのか、特定の技術分野(例:AI、セキュリティ、モバイルアプリ)で社内に知見がないのか、それともコスト削減のために海外リソースを活用したいのかによって、適切な委託先や契約形態は大きく異なります。

目的が不明確なまま外注を進めてしまうと、期待とのギャップが生じ、品質やスケジュール面でのトラブルが発生しやすくなります。

合った委託方法を見つけるためのチェックポイント

委託すべき業務の切り出し方

ソフトウェア開発におけるアウトソーシングでは、「どの業務を社内で行い、どこから外注するか」の線引きが非常に重要です。

たとえば、要件定義やUI/UX設計といった上流工程は自社内で担当し、開発・テストなどの下流工程をオフショア開発会社に委託するという方法があります。また、全体のアーキテクチャ設計や技術選定は社内で握りつつ、機能単位でタスクを分割して外注する手法も有効です。

切り出し方を誤ると、連携ミスや品質トラブルの原因になります。委託業務の難易度、社内との依存度、納期などを総合的に判断し、「社内で持つべきコア」と「外注してもよい非コア」の区別を明確にします。

プロジェクト型と運用型の見極め

ソフトウェア開発のアウトソーシングには、「プロジェクト型(受託開発)」と「運用型(ラボ型・Dedicated Team)」の2種類があります。

プロジェクト型は、要件が明確で、期間や予算が限定されている案件に向いており、成果物ベースで契約を締結します。一方、運用型は中長期の協力関係を前提に、社内チームの延長のような形で柔軟な対応ができるため、アジャイル開発や継続的な改修案件に適しています。

自社の開発スタイルや運営体制に応じて、どちらがより合っているかを見極めることが、トラブルのないアウトソーシングの第一歩となります。

委託先の選び方と評価基準

委託先の選び方と評価基準

実績・導入企業数

アウトソーシング先を選定する際に、まず確認したいのがその企業の開発実績や導入企業数です。特に自社と近い業種・規模の企業への提供実績がある場合、そのベンダーは自社の課題に近い経験を持っている可能性が高く、信頼度も上がります。

また、累計のプロジェクト件数や、どのような業界・システムを手掛けてきたかという情報を具体的に提示しているかも重要です。導入事例の中に、国内外の有名企業や、業界特化型の案件が含まれていれば、より安心して任せることができます。

セキュリティ(ISO、ISMS)

ソフトウェア開発には顧客情報や社内の業務データなど、重要な情報を扱う機会が多くあります。そのため、委託先がISO27001(ISMS)などの国際的なセキュリティ認証を取得しているかどうかは、重要な評価基準となります。

特にクラウド開発やデータベース連携などを伴う案件では、セキュリティリスクが高まるため、開発環境や管理体制の整備状況も確認しておきましょう。秘密保持契約(NDA)の整備状況や、開発スタッフへのセキュリティ教育の有無も信頼性を測るポイントです。

コミュニケーション能力・日本語対応

海外のアウトソーシング先を選ぶ際に多くの企業が懸念するのが日本語での対応力や、報連相(報告・連絡・相談)のレベルです。 たとえ技術力が高くても、コミュニケーションがうまく取れなければ、ミスや遅延の原因になりかねません。

具体的には、日本語スピーカーがプロジェクトマネージャーとして参加しているか、定期的なMTGやSlackなどでの迅速なやり取りができるかなどを事前に確認しましょう。ベトナムの開発企業では、日本語能力試験(JLPT)N2以上を取得したエンジニアが多く在籍しており、日本企業とのやり取りにも慣れています。

柔軟な対応力とスピード感

IT開発では、仕様の変更や不具合対応など、予定外のタスクが発生することが多々あります。そのため、依頼に対して柔軟に対応できる体制があるかどうか、また、レスポンスのスピードが早いかも重要な評価ポイントです。

初回の見積もり対応や契約前の提案内容からでも、ある程度その企業の対応姿勢やスピード感を確認することができます。実際のやり取りの中で、「話が早いか」「技術的なフィードバックがあるか」などを意識して見極めましょう。

スモールスタートが可

最初から大規模な外注を行うのはリスクがあるため、まずは小規模な案件やPoC(概念実証)から始めるスモールスタートが可能かどうかを確認することも大切です。

柔軟にリソースを調整できる企業であれば、少人数・短期間でのテストプロジェクトにも対応してくれる可能性が高く、段階的に信頼関係を築くことができます。スモールスタートに対応している会社は、プロジェクト管理やコミュニケーションの透明性にも自信があると言えるでしょう。

GMO-Z.com RUNSYSTEMのアウトソーシングサービス

GMO-Z.com RUNSYSTEMでは、日本企業向けに最適化されたソフトウェア開発アウトソーシングサービスを提供しています。
 ベトナムに本社を構え、日系大手企業・中小企業への豊富な開発実績を持つ私たちは、日本語に対応可能なブリッジSE体制や、ISO27001取得による高いセキュリティ水準、迅速かつ柔軟な対応力を強みとしています。

PoCや部分的な開発からスタートし、必要に応じてチームを拡張するスモールスタート支援も行っております。開発コストの最適化、スピードアップ、人材不足の解消などでお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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