2020年初頭に開始されたCryptonomicは、ハノイ本社とホーチミン支社の両方から総勢30名以上が参加する「大陸を越えた」プロジェクトといえます。BSDチームがRunnerグエン・レ・フン(BSD)の指揮の下、モバイルアプリの設計・開発を担当する一方、ホーチミン支社はRunnerグエン・フー・アン(HCM – プロジェクトPM)のリーダーシップのもとWebシステムを構築しました。COVIDの影響による在宅勤務や地理的な距離の壁を越え、プロジェクトを納期通りに完了・引き渡すまでには、メンバーのたゆまぬ努力がありました。
2020年初頭、ベトナムだけでなく世界中がCOVID-19と闘っていた時期に本プロジェクトはスタートしました。社員の安全を守るため、会社は在宅勤務を決定。しかし、プロジェクト開始直後からメンバーはオンラインでの業務を余儀なくされ、進捗に大きな影響を及ぼしました。通常であれば直接会って問題解決できるところが、メッセージやオンライン会議に頼らざるを得ず、時間が大幅にかかってしまいました。このままではいけないと判断し、プロジェクトメンバーは「COVIDの嵐を乗り越える」覚悟で出社し、納期厳守を目指して作業を続けました。「幸いにもタイの顧客とのプロジェクトだったため、英語で直接コミュニケーションを取ることができ、Comm部門のサポートも不要でした。結果的に時間短縮となり、正確な要望理解が可能になり、さらに英語力も飛躍的に向上しました。」と、グエン・レ・フン(スマートフォン – BSD)が語ります。
COVIDを乗り越え、プロジェクト目標を達成したスマートフォンBSDチーム
Cryptonomicプロジェクトは、暗号資産取引所のWebサイトとモバイルアプリの2つの主要な構成要素から成り立っています。Web構築を担当したホーチミン支社は、インドの前ベンダーからの引継ぎにおいて、ドキュメント不足や未完成のアーキテクチャなど多くの課題に直面しました。旧チームとの連携で内容を把握し、不足している構成を補完し、ソースコード外の部分を開発し、既存バグの修正も行いました。プロジェクト開始当初からメンバーは200%の努力で取り組み、納期を守るため奮闘しました。「特に大変だったのは2020年6月から9月初旬にかけての時期で、毎日夜8時まで残業していました。それでも誰一人文句を言わず、皆が全力でタスクをこなしました。その姿勢に感動したのか、顧客も帰らず一緒に残業してくれるようになったんです。」– グエン・フー・アン(ホーチミン支社)が語ります。
ホーチミン支社モバイルチームは、顧客ニーズの深掘りに積極的に取り組んでいます
Webとは対照的に、モバイルアプリチームは技術選定から実装までを主体的に行えるため、一見スムーズに見えました。しかし、この「新しい」顧客のやり方には戸惑う場面もありました。日本の顧客とは異なり、具体的な要件提示が少なく、チームはニーズを探りながら開発を進める必要がありました。メンバーの間では「まずコードを書いて、後から修正する」という冗談も飛び交うほどでした。幸いにも経験豊富なチームだったため、すぐにペースを掴み、顧客に最適な提案を自ら行うスタイルにシフトしました。こうして顧客の意向を明確にした上で開発を進め、約1年に及ぶプロジェクトを成功裏に完了し、Cryptonomicは市場に無事リリースされ、顧客からも高い評価を受けています。本プロジェクトを通して得た知見や経験は、今後のさらなる成長とお客様満足度の向上に繋がる貴重な財産となりました。